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鬼束ちひろ 『DOROTHY』
<初出「Groovin'」2009.10-11/ISSUE#121>


長い旅路の果てに辿りついた帰るべき場所…。
力強く、生命力あふれる歌唱で、
完全復活を予感させる最新作が遂に降臨!


鬼束ちひろ-A 身を削り、魂をすり減らすがごとく全力で音楽にぶつかっていくその真摯な姿勢は、時に諸刃の剣となって自身に襲い掛かる。
 傷つき、疲れ果てながらも、再びシンガーとして長い旅路についた鬼束ちひろ。
 その船出は決して平穏なものではなかった。
 復帰直後に見せた姿にかつての面影はなく、長いブランクもあいまって、本人も認めるとおり以前のようには歌えなくなってしまっていた。
 前作『LAS VEGAS』は良質な作品ではあったが、重厚な詩の世界観を支えきれるだけの力がその声に宿っておらず、若干の物足りなさを感じざるを得なかった。
 しかし、その翌年に行われた一夜限りのプレミアム・コンサートではそんな周囲の不安を一気に吹き飛ばしてしまうほどの圧巻のパフォーマンスを披露。
 『LAS VEGAS』収録曲も新たな生命を吹き込まれたような輝きを見せ、初披露された「蛍」の完成度の高さに、次回作への期待度は自然と高まっていった。

 そして2009年。
 強力なヘヴィ・ロックが炸裂するシングル「X」を皮切りに「帰り路をなくして」「陽炎」と怒涛のリリースを経て、待望の新作『DOROTHY』をリリースする。
 プロデューサーには平原綾香の「Jupiter」やtokunagahideaki.jpgの「VOCALIST」シリーズを手がけた坂本昌之氏を起用。
 力強さが戻り、言葉の端々に生命力が宿っているかのような鬼束本来の歌唱を最大限に活かした楽曲を基本としながらも、随所に見せる大胆なアプローチで鬼束の新たな魅力を引き出している。
 前述の「X」をはじめ、スモーキーなロック・チューン「I Pass By」、そして全く新しいアプローチを見せた5曲目の「STEAL THIS HEART」は鬼束本来の魅力とは対極にあるポップでエレクトロな楽曲。
 シンセがふんだんに使われ、ヴォーカルにエフェクトがかけられたこの楽曲は賛否が分かれることが必至だが、こうした遊び心のある楽曲を作れるほどの自信と余裕が今の鬼束にはあるのだと好意的に受け止めたい。

 不屈の精神で本来の力を取り戻しつつある鬼束ちひろ。
 彼女の長い旅路はまだまだ続く。

Text by 矢部信之(市原白金通り店



鬼束ちひろ-J『DOROTHY』 UMCK-1327 10/28発売
2009年に入り精力的に活動している鬼束ちひろの待望の新作。昨年リリースされた「蛍」をはじめ、5曲のシングルを収録。光と闇が入り混じる独特の詩世界と叙情的なメロディに加え、かつての歌声と遜色ない生命力溢れる力強い歌唱で完全復活を強く印象付けている。

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【2009/11/01 01:00】 | ISSUE#120 09.09-10 | page top↑
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