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スキマスイッチ 『ナユタとフカシギ』
<初出「Groovin'」2009.10-11/ISSUE#121>


それぞれのソロ活動を経て臨んだ、通算4枚目のオリジナル作。
斬新でエヴァー・グリーンなスキマ・ポップス、その新たな本流。


スキマスイッチ-A


 スキマスイッチ、約3年ぶりとなる新作は、漢字による造語+カタカナからなる3部作アルバムの流れを汲むタイトルがついた「双星プロローグ」から幕を開ける。
 ホーンをフィーチャーした、一聴すると軽快で心地よいナンバーだが、驚くほど言葉数が多く、小刻みなアップ・ダウンのあるメロディは相当に複雑だ。
 プロローグに相応しい、シンプルで静謐な導入曲、なんてものを想像したが、さにあらず。
 いきなり面食らってしまう。
 詞の内容も、人を介して知り合ったものの、第一印象があまりよくなかった男女が次第に心惹かれあうまで…というラヴ・ストーリーに見せかけておいて、大橋と常田の出会いからこれまでのストーリーを彷彿とさせる。
 ベスト・アルバムで一区切りをつけ、ソロ活動を挟み、再び走り始めた彼ら。本作へと向かうその口火を切ったシングル「虹のレシピ」が、肩の力を抜きながらも「スキマスイッチの在り方」を指し示すような楽曲になっていたのも印象的だった。
 新生とか再始動とかいった大仰な形容をサラリとかわすような「スキマスイッチはスキマスイッチでしかない」というシンプルで磐石なメッセージを感じた。
 ここで改めてスキマスイッチというものを振り返り、フラットな姿勢を保ちながら次のシーズンに突き進んでゆく。
 『ナユタとフカシギ』とは、そういうアルバムだ。

 今回よりタイトルも一新。
 その音盤から吹いてくる新しい風。
 それは「双星〜」から続く「雫」「ゴールデンタイムラバー」といった2曲で早くも全開になる。
 前者は民俗音楽テイストをもつイマジネイティヴな佳曲で、後者はエネルギッシュなアップ・ナンバー。
 いずれも人気アニメのオープニング・テーマに相応しい、大きなインパクトをもつドラマティックな楽曲だが、その物語の内容を彷彿とさせながら、これまでのどのミディアム曲、アップ・ナンバーとも異質のスキマ楽曲としても新境地を感じさせる、その仕上がりに驚く。
 それぞれのソロ活動でついた筋肉のなせる業か、スキマスイッチとしてのさりげない無敵感にはさらに拍車がかかってきている。

 以降、そのユニークな歌いまわしも含め、古きよきアメリカン・ポップスのような味わいの「ムーンライトで行こう」、シティ・ポップ・テイストの小品「デザイナーズマンション」、ラグジュアリーなムードに彩られた「レモネード」など、せつなくもロマンティックにアルバムは展開。
 アルバム後半のハイライト、シンプルな出だしからストリングス・セッションとともにスケール・アップしてゆく、1994年のシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突をキッカケにした自我の目覚めを綴った「SL9」への流れは白眉だ。

 複雑なことをやっていながら気を衒わず、コアな方向に寄らず、流行に流されない普遍のポップ・ミュージック。
 これまでの3作が作品のコンセプトやテーマなど抜きにいつの間にかすっかりライブラリーに馴染んでしまったように、この4作目もいつまでも色褪せず、聴くたびに新鮮な輝きを放つことだろう。
 「双星プロローグ」は<エピローグはまだまだ必要ない>という言葉で締めくくられた。
 彼らは今年、さりげなく結成10周年を迎えた。

Text by 篠原美江

スキマスイッチ-J『ナユタとフカシギ』 [初回生産限定盤]DVD付 AUCL-20003〜4  11/4発売
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』OPテーマ「ゴールデンタイムラバー」を含む3年ぶりのオリジナル・アルバム。初回生産限定盤は①高品質 CD「Blu-spec CD」、②「虹のレシピ」「ゴールデンタイムラバー」ビデオ・クリップ+ケータイ音楽ドラマ「DOR@MO(ドラモ)」×「8ミリメートル」ムービー完全版を収録した特典DVD付き。

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【2009/11/01 20:00】 | ISSUE#121 09.10-11 | page top↑
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