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SPECIAL INTERVIEW 『hayato kaori』
<初出「Groovin'」2008.09-10/ISSUE#120>

INTERVIEW


hayato kaori SPECIAL INTERVIEW

隼人加織-Aブラジルと日本、2つのDNAを持つシンガー、hayato kaoriが待望の2ndアルバム『Lindas』をリリース!
ブラジルの空気をたっぷりと孕んだ新作について、お話を伺ってきました。
この『Groovin'』ブログでは、本誌で掲載しきれなかった分を含む完全版でお届けします。


【インタヴュー&構成:池 佐和子】







——:2ndアルバム『Lindas』は、どんな作品になりましたか?

hayato kaori:昔から考えていたアイディアを実現できたアルバムになりました。私の中に流れる〈2つの血〉をアイデンティティーとして織り込むには、ブラジルの楽曲を日本語で歌うのが面白いんじゃないかとずっと思っていて。
今回のアルバムは、実際にブラジルに行って、まさにその曲を作った人たちと作り上げた、いわば夢が叶った作品ですね。
純粋に音楽として上質なものができたので、ブラジル音楽の知識がない方でも気持ちよく聴いていただけると思います。

——:メジャー・デビュー・アルバムの『pluma』が、ご自身が影響を受けてきたJ-POPや洋楽などが織り交ぜてあって、言うなれば名刺代わりの1枚だったのに対し、今作はこれからの方向性を示すような1枚ですね。

hayato:まさにその通りですね。やっぱりデビュー・アルバムでやったことを含め、しっかりと自分の進むべき道や音楽性というものを究めていきたかったので、そういう意味でも意思表示ができた1枚だなと思います。

——:タイトルはポルトガル語で〈美しい〉という意味だそうですが。

hayato:複数形なので〈美しいものたち〉という意味なんですけど、実は、それだけのニュアンスではなくて。ポルトガル語で相手の意見に同意する時に「Linda!」って言うんですね。
素晴らしい意見に対して「それいいね!」と返す時に使うんです。このタイトルには、そういったニュアンスも含まれているんですよ。

——:すごく素敵な相槌ですね!

hayato:そうなんですよ!まさにブラジリアンチックなポジティヴな相槌ですよね。

——:そんなブラジルでのレコーディングはいかがでした?

hayato:音楽を楽しむということがとても自然に行われてる現場でしたね。
敬語のない文化というのも多少関係があるのかもしれないですけど、例えば、私の長年尊敬しているアーティストともすぐに打ち解けあうことができて。
とてもリラックスした中で、作業を進めることができたと思います。
音楽って〈音を楽しむ〉と書きますけど、そういう現場からじゃないと本当にいいものは生まれないんじゃないかなって実感しました。

——:マルコス・ヴァーリ氏やセルソ・フォンセカ氏ら、ブラジルの巨匠たちとのコラボレーションはどうでしたか?

hayato:マルコスは、もう大っ好きなアーティストで。彼が登場すると周りの空気が変わるくらいの人間的な魅力を持っている人なんですよ。
最初、マルコスに「あなたの曲を日本語で歌いたいんだけど」と話したら、「いやぁ、それは難しいと思うよ」って言われたんですね。だけど、そんな彼も作品が出来上がる頃には、「こんなにも自然な流れでやれると思わなかった」と本当に気に入ってくれて。
自分の作品を誰かが歌って、その現場に自分も携わっていることが大きな喜びだったみたい。
セルソもそうなんですけど、自分のレコーディングが終わっても、なかなか帰りたくなかったようで(笑)、違う日に遊びにきてくれたりもしたんですよ。
このアルバムからは、そういった親密さも感じ取ってもらえると思います。

——:確かに、アルバムから満ち足りた感じが伝わってきますね。

hayato:日本でのレコーディングとの違いでもあるんですけど、音楽そのものがひとつの大きな流れの中で作られていくという感じなんですね。
もちろん、歌があってギターがあってベースがあって…とそれぞれのパートに分かれているんだけど、〈ひとつの気持ち〉のもとに作業していくというか。
みんなで作り上げた音楽だから、音がホログラムのようになっているんですよ。

——:無邪気で可愛い曲もあれば、ビックリするくらい大人っぽい曲もあって。アンニュイだったり情熱的だったり、曲によって様々な表情を見せてくれていますね。

hayato:演奏が素晴らしいと歌も楽なんですよ。それぞれの音のパートに感情があるんですね。だから、私がその上で歌うのってとっても簡単で、無理する必要がまったくなかったんです。
アンニュイだったり情熱的だったり、可愛らしかったりする表情は、すでに私が持っているもので、それをみんなが引き出してくれたんだと思います。

——:どれが本当のhayatoさんなのかな?って思っちゃいました。

hayato:全部です!全部持ってます(笑)。

——:プロデューサーの宮田茂樹さんは、これまで大貫妙子さんや小野リサさんを手掛けてこられた方ですが、一緒に仕事をすることで意識の変化はありましたか?

hayato:音楽に対する価値観や考え方が、もの凄く深まったと思います。
宮田さんのおかげで引き出された、私自身も知らなかった部分がすごくたくさんあると思うんですね。
例えば「秋桜」という曲は、これまで歌ったことのないアレンジで当初は不安だったんですね。でも、宮田さんが「いい音楽には、アレンジやジャンルの部分で差別はないんだよ」ということを教えてくれたおかげで、一歩前に踏み出して新しい扉を開くことができたんです。
ちょっと大袈裟かもしれないですけど、もう怖いものはないですね(笑)。今後どんな扉が前に現れても、どんどん開けていけるかなと。

——:日本語詞の乗り方も、それぞれ心地よくて。ブラジルの楽曲に歌詞を付ける際に、気を付けた点はありますか?

hayato:メロディーの美しさを無視しないように気を付けました。
もともと自分が持っている利点として、ブラジル音楽のリズムに対しての完全な理解というものがあるんですね。だから、そこは頭で考えたとかではなくて、その利点を活かして作詞をしました。
私の持論だとですね、メロディーはメッセージを持って生まれてくると思うんですね。で、それをしっかり読み解けないと、メロディーとメッセージ性が背中合わせになった音楽が出来上がっちゃうと思うんです。
だから、自分の伝えたいことばかりを意固地になって表現するのではなく、作曲者が何を現そうとしているのかを自分で汲み取った上で言葉を乗せるようにしました。

——:幅広い世代に受け入れられる詞ですよね。

hayato:今って〈言葉力〉を重視した曲が多いじゃないですか。メロディーがないような曲が流行っているし、それこそリズムやハーモニーが、伝えたいことに対するBGMのような…そんな流れがありますよね。
もちろん、そういう音楽もいいと思うんですけど、私自身は、言葉や詞は、あくまで音楽の中のひとつの要素だという風に捉えているんですね。
だからこそ、いつ聴いても聴いた人の心の中にすんなりと馴染むような歌詞にしたいと思っているんです。言葉を選ぶ時に普遍的なものにしないと、音楽自体が歳をとっちゃうんじゃないかなと。それは今回のアルバムでもそうだし、常に自分の考えとしてありますね。

——:今回、ブラジル音楽の他にも、様々なジャンルの楽曲を取り上げていますね。特に、サンディーさんの「Watashi」は個人的に大好きな曲なので嬉しかったのですが、この選曲はどうして?

hayato:私とスタッフとプロデューサーが色んな曲を出し合いながら選曲したんですが、この曲は直感的に「ゼッタイ歌いたい!」と思った1曲なんです。
それこそ詞が普遍的じゃないですか。
とっても素直で単純なことを歌っているんだけど、そこがもうたまらん!って(笑)。

——:まったく同感です!あと、フランソワーズ・アルディで有名な「さよならを教えて」をもとにした「あなたはネコ」は、とにかく歌詞が可愛くて。これは、サンタちゃん(hayatoさんの愛猫)がモデル?

hayato:ウフフ、彼がモデルです(笑)。
この曲は、アルディ・ヴァージョンのフランス語の響きを残しつつ、日本語の歌詞にしたくて。
色んな遊び心を加えているんですよ。
歌の間にボソボソっと話す声が入っているんですが、あれも実は、日本語とポルトガル語がごっちゃ混ぜになっていて、それぞれにちゃんと意味があるんです。

——:オリジナルはかなり昔の曲なので、ちょっと意外な選曲でした。

hayato:アルディ・ヴァージョンを聴いた時、「あ、コレ多分ボサ・ノヴァにしたかったんだろうな」と感じたんですね。
フランスで歌われた曲を、私が日本語詞を付けてブラジルに持っていって、本場のミュージシャンのエッセンスで録ってみたら面白いんじゃないかなと思ったんです。

——:そして、唯一ロック系で取り上げているのが、ビートルズの「Here, There And Everywhere」。この曲の歌詞を日本語ではなく、ポルトガル語&英語にしたのは?

hayato:英語詞のものはすでにあるわけですが、この曲のポルトガル語・英語ヴァージョンを見つけた時に「すごく可愛いミックスだな」と思って。
ポルトガル語が分からない人でも、「可愛い」と感じてもらえる響きが必ずあるんじゃないかな。

——:今後はどんな歌を歌っていきたいですか?

hayato:自分の表現を突き詰めていくということに怠けないで、色んなタイプの曲を歌っていきたいですね。
ジャンルにこだわらずに挑戦していきたいと思います。

——:期待しています!では最後になりますが、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

hayato:1年間、『Groovin'』で連載をさせていただいて、文章を書くことを通じて成長できたし、かなり楽しませてもらいました。
晴れて2ndアルバム発売までやってこれたのも、皆さんのおかげだと思っております。今後も応援よろしくお願いいたします!



隼人加織-J『Lindas』 VICP-64715 発売中
メジャー・デビュー作『pluma』に続く2ndアルバムは、マルコス・ヴァーリ、セルソ・フォンセカ、マリオ・アヂネーといったブラジルの音楽家たちと作り上げた〈上質〉な1枚。大貫妙子や小野リサらを手掛けてきた宮田茂樹がプロデュースを担当。

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【2009/10/01 22:00】 | ISSUE#120 09.09-10 | page top↑
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